お迎えした翌日の夜、寝ているエコルの右手に違和感。
…あれ?なんかハゲてる!?
病院で検査した結果、「猫カビ(皮膚糸状菌症)」と診断されました。
ここでは、具体的な「治療法」から「完治までの期間」、「掛かった治療費」をお伝えします。
完治までの経過写真も載せていますので
- 今現在、治療中の方
- もしかして猫カビかもしれないと不安を感じている方
こんな方に少しでも私の経験が参考になればと思います。
猫カビとは?
先生曰く、猫カビとは“水虫のようなもの”とのこと。
正式名称は「皮膚糸状菌症」と言って、真菌というカビが猫の皮膚や毛に付くことで脱毛などを引き起こします。感染力が高く、動物から動物に移るためとても厄介な菌です。
我が愛猫の感染経路について
我が猫は、お迎えした翌日の夜にハゲが見つかりました。それまで他の動物は飼っていません。
先生からは「里親さん(母猫)からもらってきたんだろう」と言われました。
真菌(カビ)はどこにでもいる菌なので、健康な猫であればほぼうつることはなく菌が付着しても発症しないケースもあります。それに比べ免疫力が低い、まだまだ未熟な子猫・基礎疾患を持ってる猫・老猫は感染しやすくなります。
母猫や兄弟猫に脱毛などの症状がなくても菌を共有している可能性はあるので、新しくお迎えした際は注意が必要です。
我が家のように新しく猫ちゃんをお迎えした時に、発症する人が多いみたい!環境の変化からくるストレスで一時的に免疫力が落ちてしまうのかも…
猫カビの症状【画像あり】
猫カビの症状は以下のようなものがあります。
その子によって症状は様々ですが、最も代表的なものは「円形状にハゲる」脱毛が多いです。うちの場合だと、時間の経過と共に症状が変化していきました。
エコルの場合、最初はポロポロと毛が抜けている?抜けかかっているような毛がある?感じでした。
うっすらと肌も赤くなっているのがわかります。この時はまさか猫カビとは思わず、環境の変化のストレスで自分でかじって毛を抜いてしまったのか?と、不安でいっぱいな気持ちになったのを覚えています。
その後、白くポツポツとした粉っぽいフケも。
段々と皮膚が黒く硬くなり、カサブタのようにもなりました。
猫カビで注意すべきこと
「猫カビかも?」と思ったら、注意すべきことがあります。
多頭飼いなら隔離、または同時治療を
エコルにハゲが見つかったその2日後、ニコルの右前足の付け根にハゲを発見。
あっという間に感染しました。多頭飼いの場合、疑わしい症状があった時点ですぐに隔離しないとどんどん感染が広がります。
しかし、いつも一緒にいる子を無理に引き離すと新たなストレスが生まれる場合も。中にはワンルームで隔離が難しい人もいますよね。
その場合、無理に隔離せず、同時に治療していく選択肢もあるので、一度医師に相談してみてください。
猫カビは人にも感染する
これまた厄介なことに猫カビは人にもうつります。人に感染すると「リングワーム」と呼ばれるワッカ状の赤い発疹ができ、強いかゆみがあります。
中には水泡ができるケースも。これらの症状がみられたら早めに皮膚科へ受診しましょう。
幸い我が家では、人に感染することはありませんでした。私自身猫アレルギー持ちなので、普段から愛猫を触った後に、手を洗うクセがついていたのが大きかったのかも?しれません。
検査方法
検査方法にはいくつか種類があります。
- ウッド灯検査(特殊な光を当てて調べる検査)
- 顕微鏡検査
- 培養検査
最初の検査は「顕微鏡」や「ウッド灯」で調べることが多く、これらで診断が難しい場合や真菌の種類を調べる場合に「培養検査(7~14日前後かかる)」を行うことがあります。
我がにゃんずの場合は、脱毛箇所の皮膚組織を少し取り「顕微鏡」を使って検査をしました。その結果、ものの5分と掛からず「猫カビ」との診断されました。
ちなみに訳あって別の病院でも検査をしたのですが、前の病院で処方された抗菌クリームを使用していたため、検査で真菌が検出されませんでした。すでに抗菌薬を使っていると、菌が検出されなくなる場合があります。
治療方法
猫カビの治療では、「飲み薬」と「塗り薬」を併用することになりました。
最初の病院で処方された塗り薬が「ビクタスS MTクリーム」という抗菌クリームです。
その後、新しい病院から処方された塗り薬が「クロトリマゾールクリーム」です。
ビクタスSはどちらかというと幅広いハゲに効くお薬で、クロトリマゾールはより真菌に効くお薬とのことでした。1日2回、少量を朝と夜塗ります。
一緒に「抗真菌剤」も処方されました。飲み薬はかなり効果が高く、広範囲に効くそうです。
この時はまだ生後3ヶ月ほどだったので、1回の量はかなり少量です。1日1回飲みます。
中には飲み薬について、副作用や肝臓への負担が心配な方もいると思います。我が愛猫はこの時に耳ダニや下痢などの治療もあって毎週通院していたので、しっかり医師に状態を確認してもらいながらお薬継続の判断をしてもらってました。
猫カビは治っても再発しやすい厄介な病気。ハゲが治ってきても途中で飲み薬を辞めてしまうとまた脱毛が広がったりすることがあるとのこと。
真菌(カビ)を残さないためにも、適切な治療でしっかり完治させることが大切です。
発見~治療~完治まで【経過記録】
発見から治療、完治までの経過写真をお見せします。少しでも参考になれば幸いです。
- お迎えの翌日エコルの右手にハゲ発見
- 2日後ニコルの右前足の付け根にハゲが見つかる
- 5日後病院へいく少し前のエコルの状態
- 治療スタート治療開始
- 約1週間後状態に変化なし
- 約2週間後新しい病院で治療開始
- 約3週間後皮膚が黒ずみ硬くなる
- 約4週間後産毛が生え始める
- 5週間後毛が急激に生え揃う
- 6週間後お薬の飲み方を変更
- 7週間後完治!
完治までにかかった期間
先生からは完治までに「約2ヶ月はみといてね」と言われました。実際、前の病院で診てもらってから、現在の病院で完治と言われるまで「1ヶ月と18日」掛かりました。
先生の予想通りほぼ2ヶ月ですね。早い方だと1ヶ月で完治する方もいますが、中には半年~1年掛かる方もいます。
塗り薬と飲み薬の上手に使うコツ
うちの場合、脱毛した箇所が2匹とも口の届く位置だったので、薬を塗っても舐めてしまい、本当に苦戦しました。
そんな中、先生から頂いたアドバイスを実践したらうまくいったのでその方法をご紹介したいと思います。
飲み薬の場合
お薬を塗った後は、「遊んで気を紛らわす」か「ごはん中に塗るのが良い」とのこと。10分ほど置ければ皮膚に浸透しているので、あとは舐めとっても大丈夫なんだそうです。
それを聞き早速実践!
遊びで気を紛らわす
遊びで気を紛らわすやり方は、うちの場合2匹いるのでうまくいきませんでした。片方がじゃれてる間に片方が患部を舐めてしまったからです。1匹だけならうまくいくと思います。
ごはん中に塗る
ごはんを食べてる間にぬりぬりしたところ、こちらは大成功!塗られたことに気付いてなければ、食べ終わった後も舐めとることもなかったです。
エコルの方は右前足なので食後のお手入れで舐めてしまうことは多かったですが、薬はすでに浸透した後なので問題ありません。ごはん中は「食べたい!食べたい!」と意識が一点に集中するため、最も気が紛れると感じました。
早食いの子は10分もかからず食べてしまうと思うので、その場合、少量ずつ分けてゆっくり食べさせると良いです。
寝ている間に塗る
寝ている間に塗るという方法もありますが、お薬を塗る時間が朝と夜の2回と決まっていたのでタイミングを合わせるのが難しかったです。また、猫は警戒心が強いので寝ている時に薬を塗ると違和感で飛び起きることも。
気付かれたら速攻舐めとられます。それ繰り返していると「寝ると飼い主が何かする」と不信感を抱くようになり、飼い主の近くでは寝なくなり信用がなくなることも。
問題なければこのやり方もアリですが、我が家には合いませんでした。
飲み薬の場合
飲み薬は塗り薬より簡単で、粉末状だったのでウェットフードに混ぜて食べさせました。ちゅーるなどに混ぜるのでもOKとのことです。
食べ残しがないよう先にウェットフードでお薬ごはんを食べさせてから、カリカリの餌をあげるようにしてました。
掛かった治療費
猫カビの1回の通院に掛かる平均費用は、3,000~5,000円程度と言われています。
我が家の完治(1ヶ月と18日間)までに掛かった費用をご紹介します。
診察代 9,400
検査代 3,100
外用薬代 2,700
内服薬代 11,350
小計26,550
消費税1,327
合計27,877円
上記は猫2匹分、6回通院した時の合計費用になります。1回あたりの通院費だと約4,646円になります。
レシートを見ながら確認しましたが、他の治療も併用して行っていたため、多少の誤差があるかと思います。なので、ご参考程度で。
一度病院を変えているため、初診料や検査代が2回掛かっているので、本来ならもう少し安くなるかと思います。
予防法
猫カビの感染経路は主に3つになります。
これらの感染経路から猫カビにならないための予防法をご紹介します。
猫同士の感染予防
ご想像通り、猫カビに感染した猫と愛猫が接触すれば被毛などから感染します。外を行き来したり、他の猫との接触が多いほどそのリスクは上がっていきます。
また、猫カビは猫だけでなく、犬など他の動物にも感染したり、感染している猫以外の動物からうつされることもあります。愛猫を猫カビや他の感染症から守るためにも、完全室内飼いにすべきです。
もし、多頭飼いで疑がわしい子がいた場合、速やかにゲージや別室で隔離し、接触を避けることが大切。感染を広げないためにもすぐに病院で検査をし、適切な処置を受けましょう。
人から猫への感染予防
猫カフェやペットショップ、ペットサロンや野良猫、友人宅の猫など、感染している猫を触ったことで、飼い主さんが真菌を家に持ち込んでしまうこともあります。他の猫を触ったら愛猫に触る前に、必ず手を洗い、洋服も着替えましょう。
猫を触ったら→手を洗う、これを習慣づけることで、人への感染予防にもなります。
物から猫への感染予防
猫カビの感染は動物や人からだけでありません。真菌が付いたブラシやタオル、クッションやおもちゃを使うことで愛猫が感染してしまうケースもあります。
愛猫以外の猫と物の共有は避け、カビを残さないためにもこまめに掃除、クッションやシーツは洗濯するなど家の中を清潔に保ちましょう。また、外に出てしまった場合は付着した菌を落とすために、抗菌シャンプーで洗うのもおすすめです。
猫カビは根気よく治療をすれば完治できる!
猫カビは治ったと思っても数年後、再発するケースもめずらしくありません。脱毛がなくなったからといって途中で薬を辞めてしまうのはNGです。
症状が出ていないだけで隠れカビが潜んでいる可能性もあります。独断で判断せず、しっかり医師の指示に従うことが大切です。
猫カビは命に関わるような怖い病気ではありません。人間で言えば水虫と同じで、どの猫でもかかる可能性がある身近な皮膚病とも言えます。
治療中は長期戦になったり辛いことも多いですが、根気よく治療を続ければ完治できます。諦めず前向きに日々のケアを続けていきましょう!
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